The Premise Of The Body
テクニックが伸びないとき、
「何が足りないんだろう」と探してしまう。
リラックス・脱力が足りないのかな。指の独立が、
練習量が、基礎が足りないのかな——と。
リラックス・脱力
指の独立
練習量
基礎
でも、本当の問題は、それらが足りないことではありません。
それをやろうとしている、前提の体の“ズレ”です。
しかも、その“ズレ”には、自分では気づけません。
それが、あなたにとっての『普通』だからです。
少しだけ、試してみてください。
「恥ずかしい」と想像する。足は内に入り、肩は縮こまる。
「女性的な立ち方」をしてみる。
「男性的な話し方」をしてみる。
「日本人らしく」、「アメリカ人らしく」、「フランス人らしく」、
「ドイツ人」、「ロシア人」、「中国人」、「韓国人」。
それぞれの性格や性別、国のイメージによって、あなたの姿勢は変わるはずです。イメージひとつで、体は別物になるのです。
あなたの「普通」も、
こうしてつくられた。
あなたの性格、国籍、性別——そうした「認知」によって、体の状態そのものが変わってしまいます。
体の状態が違えば、姿勢が違う。姿勢が違えば、重心が違う。重心が違えば、全身で使う筋肉が、すべて変わる。そして使う筋肉が変われば——聴こえてくる音まで、変わってしまうのです。
その「体が変われば、音が変わる」を、実際に確かめてみましょう。
ピアノで一音を鳴らし、ペダルで伸ばす。その音が鳴っているあいだに、体をぎゅっと固めてみる。そして、ふっと力を抜いてみてください。
固める音は近く、狭く、重く感じられる。
ゆるめる音は広がり、空間に抜け、やわらかく感じられる。
ピアノも、弾いた音も、何ひとつ変えていません。変わったのは、体だけ。そして、どの状態を「普通」にするかで起こる変化は、音だけにとどまりません。
認知によって、体が変わる性格・国籍・性別 → 姿勢・重心・全身の筋肉
↓
聴こえる音が変わる
↓
感性が変わる
↓
必要なテクニックが変わる
だからこそ、すべての前提となる体そのものを整えることが、
いちばん大切なのです。
体の深層基礎とは、演奏を支えている体の前提そのものを見直し、
自然に開いた体へと変えていくための土台です。